飛沫防止策ってまだまだ

2020年05月31日

利他学~Futures Literacy

『WIRED』という雑誌の特集「FUTURES LITERACY 2020年代の必須科目30
をシラバスにして 利他学 を学んでみました
教材は 「贈与論」( マルセル・モース著 ちくま学芸文庫 )
YouTubeでは 本当に 講義動画が公開されてます( Part1 Part2 Part3 )

東京工業大学 科学技術創成研究院に設置された 未来の人類研究センター
これから5年間のテーマが 利他プロジェクト
美学者であり 身体障害を研究されている 伊藤亜紗准教授が センター長です。


排他主義 功利主義 と言って 多様性重視が分断につながり 自己責任論が強調される世界で
自分のためではなく 自分でないもののために行動する という『利他』の視点
これを理想論ではなく 現実的な指針にしていくための学問 ー 利他学
利他主義じゃない

「相手のため」が 往々にして その人の中の善意の基準を実行したにすぎず 
その人は 変わっていない 非対称的なもの
そうじゃなく 自分にも他者にも変化が訪れる『利他』


マルセル・モース著「贈与論」は 古今東西で
一見 自発的で 見返りを求めることのない 贈与について
実は 贈り物をする義務 受け取る義務 お返しをする義務等があり
それが 社会全体の効用の源泉になっていることを明らかにした研究です

例えば 礼節に沿ったふるまいを相手に行うのは その社会に内在する義務感がさせていて
相手も 自分基準の応対をすることは許されていない

このことは 対価のある交換においても同じで
例えば 芸術作品を買ったからといって その複製を自由に販売してよいわけじゃない

そして 例えば 労働者が提供した労力に 雇用主が給与を支払うだけでは終わらず
その労力から恩恵を受けてきた人々(国)は 労働者の生活に一定の保障をなす義務を負う

タダより怖いものはないというようにも思われますが
そこに 恐怖ではなく 公益を見るということでしょうか


上手くまとめることができませんが
伊藤亜紗准教授の講義動画や マルセル・モース氏の「贈与論」に共通して現れる
 信頼
というキーワードが印象的です


judge_nori at 17:29│Comments(0)Futures Literacy 

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